人生とはなんだろう?生活の中でそんなことを何回考えたことがありますか。ここでは、人生を哲学的?ではなく現実的に考えてみたいと思います。 人生とは時間の経過と言えます。

下図を見ていただきたい。人間ライフサイクルと示された台形の線は人生の時間の経過を表しています。精神的にも肉体的にも25歳位まで成長し、そして55歳位までかけて成熟し、そして80歳という平均寿命に向けて衰退して行く。これはあくまでも平均的なものかもしれませんが、誰しもが当たらずも遠からずでしょう。

人生とはこの限られた時間の経過の中で、どれだけ自分らしい人生をおくることができるかであって、一言でいうと「与えられた時間をどう生き抜くか」なのです。しかし時間はどんどん過ぎて行っていきます。不思議なことに年齢を重ねれば重ねるほど時間というスピードが早くなっていくと感じているのは自分だけでしょうか。

人生の送り方、などということを人から教わったことがありますか。それを教えてくれる機関はどこにあるのでしょう。いまや地域や社会、家庭や教育機関にさえそれを教えてくれるところは少なくなってしまった。今、これまで生きてきた経験や体験の中で、人生とは?を後輩たちに語れる人間がどれだけいるのでしょう。みなさんもご承知の通り複雑化した社会はより人生を難しくしています。

人間とは、はたして長く生きさえすれば立派になれるのだでしょうか?経験や体験は必ず自分に自信をもたらしてくれるのでしょうか。人生は不思議に満ちています。

すべての人に与えられた共通なものは死。だから究極の人生の目的は死ぬことであり、人生における目標が生きることです。究極の目的・目標は、理想の死に方をするためにどういう生き方をするかであり、簡単な例でいうと、家族に惜しまれて死にたいという目的に対して、家族をつくり惜しまれるような人間関係と人格を築くのが目標となるというこです。
下図を見ていただきたい。先ほどの人間ライフサイクルに事業ライフサイクルとヒューマンスキルの確立という右肩上がりの矢印が加わっています。

ここで「ライフサイクル」の説明をしておきます。ライフサイクルとは生物が生まれて死んで行くまでの過程や、商品が市場に出てやがて他の商品にとって変わり衰退して行く過程のこと。ようはすべての存在にこのライフサイクルがあることを忘れてはならないのです。

人間は、能力開発の時期、自己探索の時期を経て人生の確立の時期に入り、そして人生の仕上げから第二の人生を迎え幸せな気持ちで死んでいければ最高と言えます。そういう人生はどうやったら送れるのでしょう。そのヒントはここに示された事業ライフサイクルにあります。
事業(テーマ)とは経営者やビジネスマン以外には聞き慣れない単語かも知れませんが、人生において誰にとっても大切なものなのです。

例えば、子供の頃は遊ぶことや勉強することが最大の事業です。そして小学生や中学生に上がることによってクラブ活動や受験などさまざまな事業に取り組んでいく。自分のために一心不乱に邁進します。

親や地域や学校に守られながら音楽やスポーツや絵画やゲームなど趣味的なものも含めてさまざまなことにチャレンジする。しかし学校を卒業し社会に出ることで事業は一変します。それはいままで守られてきた存在から社会に貢献しなければいけない立場になるということです。

あたり前の話ですが、厳しい立場になるということです。しかし、そういった気持ちで社会に出る人がどれだけいるでしょうか。そしてその自覚の無さがその後の自分を苦しめるのだということを知っている人がどれだけいるのでしょうか。

社会に出たばかりは何も分からず初心の気持ちでがんばる。職場環境に慣れるとか専門職に就くという、社会に出てからの始めての事業への取り組みになります。ある意味大変な思いをしてもなかなかスキルが身に付かず悩みの中で試行錯誤しながら、2年3年とかけて成長し5年6年かけてこんなものかと悟る。そこで安心してしまう。

このひとつの事業ライフサイクルを図の中のくねっとした曲線(S字カーブ)で表しています。しかし、時代や環境はどんどん変化してしまいます。自分も歳をとっていく。嫌がおうにも後輩やライバルはどんどんと増えて行きます。先ほども書いたように、すべてのものにライフサイクルがあり必ず衰退していくという事実を知らなければならないのです。

手に職を付ければ、というのも安定とは言えません。技術は滅びるのです。時代の変化と共にいらないと言われた技術は数えきれません。

また、競争相手が多くなり自分より優れた人が現れればいらないと言われる。商品にしても次から次へと現れ、そして姿を消していっているという事実から目を背けてはならないのです。言い換えれば、どんな時代の変化においても常に必要とされる自分であり続けることが重要なのです。ひとつの成功体験は次へのステップであり、それで終わりではないのです。

安定した人生とは変化の中に生まれます。時代の変化は約10年ごとに起きる。この変化はすべて人間が創っているといってもいいでしょう。人間とは不思議なもので、安定した生活を望む反面、楽しみや便利や楽と言ったものに変化を求めます。ひとつのものに飽きてしまうという言い方もできますが、結局のところ変化を望んでいるのです。

特に歳を重ねた人はいままでの人生を振り返ってみてほしい。必ず10年ごとに変化が起きているはず。そのことに予測して対処しているか、その場で対処してきたかでは、結果が大きく変わっているはずです。まだ人生経験の少ない若者は時代の変化や歴史、そして先輩方の変革の話を多く聞くべきです。

人生は常に10年後20年後をイメージしながら、いま何をすべきなのかを考えるもの。こんなに難度が高いことに取り組まなければならないのが人生でありながら、変化のスピードはますます早くなり情報の氾濫はますます激しさを増しています。どんな時代においても必要とされる自分、どんな年齢になっても必要とされる自分にはどうやったらなれるのでしょうか。

先ほども書いたように右肩上がりの矢印がヒューマンスキルの向上を示しています。これは、人間ライフサイクルは衰退に向かうが、どんな時代においても、どの年代になっても必要とされる事業(テーマ)を持ち続けられる人間的な力の向上を表しているのです。20代で確立した事業のまま止まってしまう人、30代、そして40代で止まってしまう人。年齢を重ねれば重ねるほど止まってしまう人が多くなっていきます。

事業とは大きなものなのでしょうか?人に優しくするとか、相談に乗ってあげられる自分になることも大きな事業のひとつです。歳をとったらこそできることはたくさんあるはず。してもらってあたり前という考え方が、実はそれが自分を辛いところに追いやる原因なのだと知るべきなのです。
人生ライフサイクルの設計、それはとても難しいものです。なぜかと言うと答えが無限にあるからです。この難しい時代を乗り切るためのヒューマンスキルの確立を目指すライフサイクルシミュレーションのフレームワークが必要な時代になりました。

無知とは何でしょう?知識が無い、ということではありません。知っているつもり、の事です。何十年生きようと、どれだけ博学と言えどもその知識は、世の中の全情報に比べたら何億分の一にも満たないかもしれない。多少の知識で分かったつもりになって決めつけていることを無知と言うのです。

美術系の大学や専門学校に8年ほど教えに行っていました。講義はCI(コーポレートアイデンティティ)で、簡単に言うと企業の考え方をまとめビジュアル(マークなど)に見える化するというものです。ある程度の日程で講義が終えた後、自分の興味のあるテーマ(企業など)の見える化をはかる実習に入るというもです。

ある学生はお父さんの会社の見える化を決めました。しかし、いつになっても何もできないのです。それは、結局自分を育ててくれた父親の仕事を全く知らないからなのです。どうも、家を建てる仕事のようなので、大工なのか、工務店なのか、建築会社なのか、設計士なのか、その辺りを教えてお父さんに仕事の内容を聞いてきなさいと指示をしました。その後は作業は進んだのですが、これは情報がなければ事は進まないことを表しています。

ようはアイデアが生まれないのは情報不足であり、情報不足は行動不足なのです。表現においては形の意味や色の意味や表現の可能性などのボキャブラリーが必要なのです。時代が変わって行く中で、いままでやってきたことだけで判断をしようとしたら、それは変わろうとしていないという証でもあります。

このような現象が一般社会に頻発するようになりました。自分は分かっていない、自分はできていない、自分は何も知らない、自分は間違っているかもしれない、というように自分を疑ってみることが、実は無知からの解放なのだと言うことを知らなければいけません。

経営とは大辞林にはこう書いてあります。「方針を定め、組織を整えて、目的を達成するよう持続的なことを行うこと。特に会社事業を営むこと。」これは家庭においても同じです。いち家庭において夫婦は家庭の経営者であり、一般的にはご主人は社長と言えます。

人生もまったく同じで、経営とは、一生涯通して経を営むようにするものであり、念仏を唱えるようにし続けるものと聞いたことがあります。だから経営とは、経営者だけがするものではなく、すべての人にとって必要なものなのです。

企業経営、家庭経営、そして人生経営。すべての人が経営者という立場で人生を考えることで、見えなかったことが見えてくるということが多くあります。HIの確立とは、人生を経営と捉え、個人の人生シミュレーションや企業のビジネスシミュレーションに導く考えとなっています。

あたり前なことの連続です。必要な項目の連続です。目的や目標とは何なのか。それはどうやってつかんで行くのか。ヒューマンスキルを上げるためにはどう取り組んだら良いのか。考えることとはどういうこことか、考えたことを無駄にしないためにはどうしたら良いかなど、そんなことを提唱しています。HIの確立は、人の中に人生に対するわくわく感やアイデンティティの形が見えてくることを目指していきます。


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