アイデンティティが無ければとか、アイデンティティが重要なんだよとか、そんな言葉がよく聞かれるようになってきました。コーポレート・アイデンティティとかブランド・アイデンティティ、ビジュアル・アイデンティティシステムなど専門用語としても多く使われています。
テレビなどでも有識者の方達がときどき使っているのを耳にします。

筆者もコンサルの時に使っている言葉なのですが、カタカナの言葉はやめてもらいたと言われることがあります。しかしこれを日本語で言うと自我同一性となります。かえってこちらの方が難しく聞こえるかもしれません。
しかし、この分かるような分からないような言葉がとても重要だというこを知っていただきたいのです。

性同一性障害という病気があります。体は男性なのに心は女性。体は女性なのに心は男性といったものです。着ぐるみを着ているような感じだそうです。ようは自我同一性とは中身と外身の一致を言うのです。

性同一性障害も一致していないことに気づかず、ある時からおかしいと思いだして不一致に気づくパターンが多いようです。一般的に言われるアイデンティティは、言ってることとやってることが一致しているかどうかなのです。これは非常に深刻な問題で本人がなかなか気がつかないものなのです。

コーポレート・アイデンティティとは企業の自我同一性を目指して、企業指針と企業表現を一致させたイメージ戦略としてアメリカから上陸したのですが、形ばかりを整えるということで失敗した例がたくさんあります。「あいつオシャレばかりしてるけど中身が伴っていないんだよね」というのは、他者から見た時にアイデンティティの無い奴と映っていると言えます。

はたしてアイデンティティを整えることは重要なのか?答えはイエスです。
人間が人間として生まれてきた証を実現させようとか、企業を設立してその証を社会に訴えかけようとした時には、絶対に必要なものなのです。もっと言い換えれば、世の中で何か結果を出している人や企業はアイデンティティが整っているからだと思った方が良い。もう随分前になりますが、八代亜紀さんのタレントショップのプロデュースを任されたことがありました。

まだ経験値の浅い筆者は、ど演歌のイメージは苦手だとお断りしました。しかし代理店の方の熱心な誘いにお引き受けすることにしました。

八代さんの経歴をみてびっくりしました。ブルースの女王だったのです。演歌の女王だと勝手に決めつけていたのだと反省し、イメージしてみました。「肴はあぶったいかで良い〜」などと口ずさみながら港の近くにある居酒屋ののれんをくぐり、店に入ってみるとそこにいるのは女将とお客。着物を着ているのはせいぜい女将くらいなものでそこには日常が繰り広げられていたのです。大きな勘違いは、真実を見えなくすることに気がついたのです。

その瞬間、筆者は八代さんのアイデンティティに捕まってしまいました。その後は自分でデザインしたというよりも、させられてしまったというのが実感です。その後、どのデザインも気に入ってもらい自分のアイデンティティを上げていただいた、というのが正直な気持ちでした。一流はすごい。アイデンティティとはすごいものだと感じさせられた仕事でした。

下図を見ていただきたい。これは前述した確立観HImapと向上観HImapを重ね合わせたものです。方針の物語と実行の物語が重なることで、言っていることとやっていることの一致を促すものなのです。

ひとつのテーマに対して、方針(使命感)における向上のスパイラルと、実行における向上のスパイラルが一致することでアイデンティティが確立していくことを導いています。
アイデンティティとは何なのかを考えたり、あてもなく探すことよりもこの確立観HImethodにあてはめてシミュレーションして行くことで導かれるものを自分のアイデンティティと受け取ると分かりやすいと思います。
物語の世界は、方針の物語と実行の物語とが合わさりひとつの世界観を構成していく。その世界観にふれながら様々な物語をこなして行くことによってアイデンティティは生まれてくるのです。

どんな経験・体験をしたか以上にそれをどう捉えたかで成長の格差が生まれる。

人間は苦労したから立派になるのでしょうか。貧しい家に生まれたから倹約家になるのでしょうか。裕福な家に生まれると軟弱になるのでしょうか。いや、そうでありません。
豊かな家に生まれたからといってぐれる人いれば、立派になる人もいる。貧しい家に生まれたからといってぐれる人もいれば、立派になる人もいる。もし苦労することでみんな立派な人になれるのであれば、第二次世界大戦であんな悲惨な思いをした人達はみんな立派になっているはずです。そうであれば今こんな世の中にはなってはいないでしょう。

成功の法則と失敗の法則に気づいていますか?

失敗の法則とは、誰かがやった失敗事例を同じようにすれば同じように失敗する。それに対して成功の法則とは、誰かがやった成功事例を同じようにやっても成功はしない、というものです。成功の法則を極めていくと幸運だったとか、感謝の気持ちが大事とか、人のためにとか言ったものに行き着きます。

ようは失敗しないことの手法化はしやすいが、成功することの手法化は実は手法になっているようでノウハウの箇条書きの連続と言えるのです。
成功とは何か?的な話は置いておいて、少なくとも自分の目指すことの実現化はこの成功の法則を自分の物として身につけなければなりません。そのためには、失敗事例や成功事例などをどう自分に入れて行くかが重要で、それにはフレームワークによるマクロなシミュレーションからミクロのシミュレーションを繰りかえすことに尽きる考えています。

次の項では、前述してきた法則をもとにライフサイクルを設計するためのシミュレーションのフレームワークを紹介したいと思います。


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